覚えておいて損はない! 流行りの造語 ~英語力ゼロの私がロンドンに移住したら⑮

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めて渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と日本人含め各国人からお叱りを受けつつ、覚えたフレーズの数々。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。「人のEnglishを笑うな」第15回!

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英語力ゼロは見栄を張ってはいけない

先日、日本から友人がやって来て、一緒にパブに行きました。少しは英語ができるようになったと思われたくて「注文してあげるよ、何が欲しい?」と見栄を張りました。「じゃあ赤ワイン頼んで」と言われ、青ざめました。Red Wineの「レッド」のRの発音、これまで一発で通じたことはありません。なんとかメニューを指差し、“Red”を言わずに注文して切り抜けました。しかし帰り際、 店員さんに“Bill Please(ビル・プリーズ/「お会計をお願いします」)”と言ったら、「ビール」がもう一杯出てきました。

「ビル」が「ビール」、この手の失敗談は日本人に限らず、よく聞く典型的な話です。渡英から1年経ってもそんなベタな失敗を続けているとは、1年前の自分は、残念ながら思いもしなかったことです。

"TO LET"はトイレじゃない

街中でよく“TO LET”という看板を見かけます。スペルが似ているので、TOILET(トイレット)のことかと思う外国人が多いようです。私もそうでした。ロンドンではほとんどの公衆トイレは有料なので「ここにもトイレありますよ」という、トイレ広告なのかと本気で思っておりました。

TO LET = 貸し出し可能な物件

という意味でした。借り手を募っている部屋の窓に、この看板をかけ「この物件、貸し出します」と広告を打っているのです。アメリカでは“For Rent”で言われる表現です。この場合のRentは「賃貸」という名詞で使われていますが、動詞としてのRentは以下のように「貸す」「借りる」両方で使えます。

We rent a flat to her at £500 a month. (私たちは月額500ポンドで彼女にアパートを貸している)※ジーニアス英和辞典より
She rented a large car.(彼女は大きな車を借りた)

一方でLetは「貸す」という意味のみなので、この“TO LET”は大家さんからの立場としての「この部屋貸します」となるのだと思います。家賃が東京の3倍ほど高い(?)ロンドン、場所によっては膨大な金額になる部屋もあり、借り手がつかず、ずっと「TO LET」の看板が外れない部屋もたくさんあります。

ふたつの単語をひとつにする、流行りの造語

最近はふたつの単語をひとつにする造語が、世界中で流行っています。
例えば日本でも使われる「グランピング」も

Glamorous(魅力的な)とCampingが一体になってGlampingとなった言葉です。

映画『トイ・ストーリー4』にも「フォークとスプーンの中間くらいの食器」のキャラクターが登場しますが、この食器も、SpoonとForkがくっついて"Spork(スポーク)"と呼ばれています。ロンドンでもファストフード店でよく使われていて、最初に見た際「『スガキヤ ラーメンフォーク』は世界に認められているのか」と勘違いで感動したことを覚えています(名古屋のラーメン店「スガキヤ」が麺とスープを一緒にすくえるよう開発した食器が「スガキヤ ラーメンフォーク」です。便利なデザインが認められてMoMAニューヨーク近代美術館にも置かれています)。

他にも「お腹が空いてイライラする」という意味で
HungryとAngryが一体化した“Hangry”(ハングリー)

映画『ブリジッド・ジョーンズの日記』のようなRomantic (ロマンチック)Comedy(コメディ)のことをRom com(ロムコム)

絵文字のことを、Emotion(感情)をIcon(アイコン)にした、ということでEmoticon(エモティコン)と言ったりします。(ちなみに「絵文字」はなぜかそのまま日本語で“Emoji”と言っても通じます)。

会話で使うにはなかなかハードルが高いですが、ネイティブとのメールやショートメッセージ、雑誌の記事などでこれらの単語を見かけることはありますので、覚えておいて損はないかと思います。

⑯に続く
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MOMOKO YASUI
ロンドン在住編集・ライター。1983年生まれ。男性ライフスタイル誌、美術誌、映画誌で計13年の編集職を経て2018年渡英。英語のプレスリリースを読むのに膨大な時間がかかって現在、仕事が非効率。

Illustration=Norio