ドイツの全裸混浴スパ ~ととのえ親方のサウナ道⑤<欧州サウナ最前線>

札幌を訪れる経営者や著名人をサウナに案内し、"ととのう"状態に導いてきたことから"ととのえ親方"と呼ばれるようになった松尾大。プロサウナー・ととのえ親方の連載第4回は、6ヵ国・18ヵ所のサウナを巡った欧州サウナ紀行の第一弾。今回はドイツの温浴施設をレポートする。


ドイツの最先端サウナ

前回レポートしたイタリア、スイスの次はドイツに飛んで、VaBaliというスパに行きました。VaBaliはデュッセルドルフとベルリンにあるスパで、僕が行ったのはベルリンのほうです。

ここはまず、サウナの充実度がとにかく凄い。サウナ室が18もあって、それぞれが個性的で大きいサウナ室だと100人くらいはは入れる広さです。Bali(バリ)という名前の通り、施設全体がアジア感のある雰囲気で、禅のイメージを取り入れたサウナ室もありました。タオルで仰いで風を送る「アウフグース」はドイツが本場なので、それもバッチリ受けられます。ただ、これだけサウナが充実していて、マッサージ等も揃っているのに、水風呂は1つだけなんですよね。

なおサウナの料金は2時間 23,50 ユーロで、デイパスが39,50ユーロ。バスローブとタオルのセットが10,00 ユーロです。それ借りて1日をゆったり過ごすと日本円で6000円程度です。

VaBaliのもう一つの大きな特徴が、水着着用が禁止ということ。それで男女混浴なので、若いカップルも、小さな子供も、おじいちゃんもおばあちゃんも、みんなが素っ裸(笑)。更衣室まで一緒です。

入場のときには、「ここは水着を着るのも、身体の前を隠すのも、施設の雰囲気を壊すからいけませんよ」と説明を受けました。みんなで全裸の開放感を味わう場所でもあるので、ヌーディストビーチに近い感覚かもしれません。

男女混浴で裸なのは、最初はやっぱり抵抗がありましたし、僕も男なので女性の胸やお尻をチラッと見ちゃいましたけど、それは入って10分くらいだけ。その後は、女性の胸が視界に入っても、おでこや耳を見ているときと同じ感情しか生まれなくなりました(笑)。すぐ慣れるんです。

またVaBaliで過ごす人のあいだでは、「異性の裸をジロジロと見たりするのはカッコ悪いよ」という意識が共有されていると感じました。「でも女のコの裸を見たらいやらしい気分になるでしょ?」と聞くこと自体が、もうマナー違反という感覚です。

利用者には男女のカップルも、年配の団体客も、ゲイやレズビアンのカップルもいました。数は少なかったですが、僕らのようなアジアの人たちも、黒人もいます。タトゥーを入れた人もたくさんいます。人の裸をジロジロ見たりしないことは、お互いの違いを尊重し、多様性を認める文化とも関係しているのかな、と感じましたね。その点は、人の見た目の違いを気にしたり、時には外見で人を判断してしまいがちな日本との違いだと感じました。

あとドイツのサウナでは、大きめのタオルを持って入り、お尻の下だけででなく足の下にも敷いて、ベンチを汗で濡らさないのがマナー。また下の毛はほぼ全ての人が処理していて、みんなツルツルか少し残している程度です。ごく普通の日本人のように自然に手入れせず伸ばしっぱなしの状態で訪れると、かなり注目されるので気をつけてください。日本に置き換えると、「女性が脇毛をボーボーに生やしている」くらい目立つ感覚ですね。僕はツルツルは抵抗があったので、角刈り程度に刈り揃えて臨みました。下の毛を生やしっぱなしにするのも、多様性として認めてくれてもいいと思うんですが(笑)。

またベルリンでは、Liquidrom(リキッドロム)というスパ&サウナにも行きました。

ベルリンはクラブカルチャーが盛んな街ですが、ここはその文化を感じる施設。空間が宇宙っぽいというか、テクノ感があってカッコいいんですよ。利用者は若い男女が中心。カップルで語り合ったり、一緒にお酒を飲んだりしながらサウナに入る場所でしたね。

なおドイツでは「お酒を飲みながらサウナに入る」というのがごく普通の文化。お酒を飲んでも、日本の宴会場みたいなどんちゃん騒ぎにならず、静かにサウナを楽しめる点も素晴らしいなと感じました。

サウナ道⑥に続く

Composition=古澤誠一郎




ととのえ親方
ととのえ親方
札幌在住。福祉施設やフィットネスクラブを経営する実業家にしてプロサウナー。サウナにハマったのは20代半ばの頃で、その後は世界各地のサウナも訪問。札幌を訪れる経営者や著名人をサウナに案内し、“ととのう”状態に導いてきたことから“ととのえ親方”と呼ばれるように。2017年にはプロサウナーの専門ブランド「TTNE PRO SAUNNER」を立ち上げ、'19年2月には友人の医師らとサウナの最適な入り方を提唱する「日本サウナ学会」も設立した。
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