【特集IR】小橋賢児「IR によって規格外のエンタメが日本で巻き起こる」

来たるIR時代に求められるものはいったい何なのだろうか。スポーツ、食、エンタメ、投資、街づくり、イベンター、観光、ホテル。各界のトップランナーによる分析が明かすのは、IR には日本をさらなるステージへと導く力を秘めているということだ。

「IRは物事を動かすエンジンになり得る」

「日本のエンタメが次のステージに行くには、根本的な仕組みの改革が必要。今はインターネットで世界中の体験を擬似体験できるため、リアルな音楽フェスやイベントも回を重ねるごとにお客さんの要求が高くなり、制作費と収益が合わなくなってきています。しかし、日本には欧米のようなパトロン文化もなく、スポンサー企業も簡単に出資額を増やせない。世界を驚かせるものをつくるには、新たな収支構造を考えなければいけません」と小橋賢児氏。

他のアジア諸国を見ると、シンガポールのマリーナベイ・サンズやマカオのモーフィアスなど IR の収益を次への投資に回す仕組みがある。

「今、マカオでは『ザ・ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター』というショーが人気を集めています。構想5年、総製作費は約290億円。僕は賭け事をしませんが、IRは物事を動かすエンジンになり得ると思います」

日本はアジア諸国で群を抜くほど規制が厳しい。よい面でもあるが、成長の足かせにもなる。

「音楽フェスでは大きな音を出せないし、ドローンを飛ばす許可もなかなか下りない。IR をきっかけにそういった規制も見直して、規格外のエンタメを日本から生みだしたいですね」

日本の花火と最先端テクノロジーが融合した、未来型花火エンタテインメント「STAR ISLAND」など話題のイベントを手がける。シンガポールでは、「STAR ISLAND」が国を代表するカウントダウンイベントのひとつになっている。
©STAR ISLAND SINGAPORE

Kenji Kohashi
LeaR代表取締役 兼 クリエイティブディレクター。1979年東京都生まれ。’88年に俳優としてデビュー。2007年に芸能活動を休止し、映画やイベント製作を開始。「東京2020 NIPPONフェスティバル」のクリエイティブディレクターに就任。


Text=川岸 徹 Photograph=中森 真