フグとヘビの毒の違いを英語で言える?【英会話レッスン】

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と日本人含め各国人からお叱りを受けつつ、覚えたフレーズの数々。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。「人のEnglishを笑うな」第29回!

"interesting"は実は真逆の意味!?

渡英したばかりの頃、英語に慣れようと、ろくに聞き取りもできない状態で映画館に行き、案の定ストーリーが追えず退屈して寝る、という無意味なことを繰り返していました。「あの映画見たんでしょ? どうだった?」と聞かれれば、全くストーリーがわからなかった、とは恥ずかしくて言えず「あ〜、私は退屈しちゃったな」と言ってやり過ごそうとして、この間違い英語を頻発していました。

I was boring

boring=退屈な という意味の形容詞ですが、これだと「私は退屈な人間でした」という意味になってしまいます。

この場合正しくは

I was bored(私は退屈した)
または
This film was boring(その映画は退屈だった)
となります。

「人が」主語の場合("人"が退屈する)=bored
「モノ」が主語の場合(退屈な"モノ")=boring

と覚えるだけの中学英語レベルの単純なことですが、とっさの会話のだと混乱してしまうことも多く、事実英語が上手な外国人の方でも結構、言い間違えていたりします。私の場合はとにかく会話に意識的に混ぜこんで覚えていくことが大事かと思っています。

またまったく同じことが、真逆の意味のinteresting /interestd(面白い・興味がある)とかexciting/excited(刺激的な)にもいえます。

ちなみに、ネイティブスピーカーたちは"interesting"をかなり皮肉的に使います。

「あの映画どうだった?」と聞いて彼らが"It was interesting"と言ったとすれば、つまり真逆の意味の「全然面白くなかった」と言っている場合があるのです。しかし皮肉なのか、そうでないのか、まだまだ私には判断しかねることが多いので、ネイティブの方が"interestingと言った場合は必ず素直に"What do you mean ?"(その心は?)と聞くことにしています。

世界が持つ、日本人の意外なイメージ

先日ポーランドから来た元庭師のマイケルに聞かれました。

「日本人は長時間労働を強いられているうえに、大人しくてストレスをうまく発散できないから、会社にプレイルームがあるんだろ?」

会社にジムがあるとか、卓球台があるとか、そんなのは日本に限ったことでないので、質問の意味が分からずこの度も"What do you mean ?(その心は?)"と聞き返すと。

「多くの会社にサンドバッグがあって、真夜中にそれ殴って、また仕事に戻るんだろ?」

日本人の典型的なイメージとして、「ハードワーク」「真面目」「大人しい」があるのは自覚していましたが、最近はそれに加えて「ストレスをため込んでいる」「怒りを内側に秘めている」というイメージをもたれていることにも少し気がつき始めました。

「日本人を怒らせたら、怖い」とか「あいつらキレたら空手と柔道で襲ってくる」というジョークも結構聞きます。「日本人は何を考えているかわからなくてちょっと怖い」という印象もあるようです。

それに加えて「日本人は毒のある魚を食べるって聞いたよ」とも別の人に言われました。これはフグのことを言っているのですが、遠い島国で、サンドバッグを叩きながら働き、時々リスクを犯して毒のある魚を食べる、という(まぁ、確かに真実ではありますが……)西洋人にとってはずいぶん奇怪であろうイメージが浮かんできて力が抜けてしまいました。

しかし、そんな会話のなかにも気づきがありました。一緒にいたネイティブの女性が教えてくれました。

「FUGU(注:英語でもフグはFuguで通じます)と毒蛇の違いを英語で言える?」

どういう意味かさっぱりわからなかったのですが

「どっちも毒のある生き物でしょ。でもFUGUと蛇の毒は英語では違う言い方をするのよ」ということで こう表現するそうです。

Venomous snake
Poisonous fish

Venomous(ヴェノモス)は「有毒の」または「毒を分泌する」という意味の形容詞で「噛まれたり刺されたりしたら毒が回る」ような毒蛇などの生き物に使います。

Poisonous(ポイゾネス)も「有毒の」という形容詞ですが、主に「食べたら有毒」となるようです。ただ皮膚から毒を出すカエルなんかはなぜかこっちに分類されるようです。

またどちらも「悪意のある」という意味もあり、Oxfordの英英辞典によれば"The poisonous atmosphere in the office"(社内の悪意ある雰囲気)"She glared at him venomously"(彼女は彼を悪意をもって睨みつけた ※この場合venomouslyという副詞で使用)という表現もできるようです。

毒=ポイズンしか頭になかったので、Fuguのおかげで新しい言葉を覚えることができました。

マイケルが言ったような「ストレスをため込む長時間労働」が変化して、日本の働き方が日本人にとってPoisonousでなくなることを祈るばかりです。

ロンドン動物園には、世界有数の毒蛇やカエルを集めた「爬虫類館」があります。ご紹介したかったのですが、私は蛇とカエルが大の苦手なので、代わりにトラのブースにあった写真を置いておきます。 “This is how our tigers see you”(トラからはあなたが餌に見えています)と書かれています。
MOMOKO YASUI
ロンドン在住編集・ライター。1983年生まれ。男性ライフスタイル誌、美術誌、映画誌で計13年の編集職を経て2018年渡英。英語のプレスリリースを読むのに膨大な時間がかかって現在、仕事が非効率。


Illustration=Norio

>>シリーズ【35歳・英語力ゼロの私がロンドンに移住したら】

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