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2020.04.16

【35歳・英語力ゼロのロンドン移住記】日本からも楽しめる! ロックダウン中の英国で話題のエンタメコンテンツ

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と日本人含め各国人からお叱りを受けつつ、覚えたフレーズの数々。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。「人のEnglishを笑うな」第47回!

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「お先にどうぞ」とスマートに言う方法

現在、人との接触を避けるため、政府からの規定で、外出の際は人と2メートル以上の距離を空けて歩かなければいけません。狭い道では、すれ違う際に接近しないよう、大抵は一方を先に通し、後にもう一方が道に入る、という歩き方をします。

そういう時、私はずっと“Please“といいながら、手を差し出すジェスチャーをしていました。それで充分通じるので「お先にどうぞ」を英語でなんと言うのか考えたことすらありませんでした。しかし先日、スーパーからの帰りの狭い道で、おじいさんにこう言われて気がつきました。

After you

これこそが、「お先にどうぞ」という表現でした。「あなたのあとに(私が行きます)」=「先に行ってください」ということなのです。“Please go ahead“も、同じ意味になりますが“After you“の方が丁寧な言い方のようです。お店やレストランの入口、オフィスの廊下など、さまざまな場所で使えて、便利なフレーズです。

覚えておくべき“How are you”の変化球

狭い道を抜けたら、ロックダウン前から会っていなかった友人にばったり遭遇しました。普段ならハグか握手をするところですが、今は知り合いとでも2メートル離れて話さないといけません。彼女が大きい声でこう言いました。

How have you been?

挨拶は“Hello, how are you”の一択だと思っていた少し前の私だったら、これだけで混乱していたと思います。

もちろん、“How have you been?”とは“How are you”と同じ意味です。ただ、久しぶりに会った人に対して使われます。これに対する回答も、“How are you”と同様に“good”や“I’m OK”などで答えます。

しばらくオンライン上でしか人と話していなかったので、リアルな人間と英語を話すことにすごく緊張してしまいました。

英語47-2

公園に貼られた「2m離れる」「集会禁止」の張り紙が、日を追うごとに大きく、わかりやすくなっていっています。

日本からも楽しめる! ロックダウン中の英国エンタメ・コンテンツ

スーパーから帰ってきてしまえば、1日1回まで許された外出はお終いです。

出かけられないかわりに、私の周りのイギリス在住民たちがやっている気分転換といえば、ベランダに自分でトレーニングマシンを作る、普段はしない窓掃除をする、サングリアを漬ける(そして飲む)、などですが、実はさまざまな施設が、オンラインで楽しめるエンタテインメントを提供しています。日本からでも体験できるプログラムもいくつかあるので、自宅からぜひ覗いてみてください。

美術館・博物館のヴァーチャルツアーが超充実

ロンドンには数多くの美術館・博物館があり、そのほとんどの常設展は無料で見ることができます。お金のない留学生同士の会話だと「遊びに行く?」がほぼ「美術館に行く?」と同義語だったりします。現在はいくつかの美術館がヴァーチャルツアーをwebで公開中、国立の近現代美術館を「テートモダン」では、同館ディレクターが新館を案内する360度動画を公開しています。六本木ヒルズに置かれている巨大蜘蛛のオブジェを作ったルイーズ・ブルジョアの作品などを、ディレクターの解説つきで見ることができるので、すごく贅沢ですし、英語の勉強にもなります。

テートモダン ヴァーチャルツアー
https://www.tate.org.uk/art/360-video/grimshaw

さらに英国いち有名な博物館「大英博物館」は、Googleストリートビューで博物館に入館でき、展示品を見ながら館内を自由に歩き回ることができます。

大英博物館 ヴァーチャルツアー
https://blog.britishmuseum.org/

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ロックダウンする前の大英博物館

家にいても、オンライン・パブでビールを飲む!

イギリス人はとにかくパブでビールを飲むことが大好きなので、パブに行けないことがストレスになっている人が多いかと思います。そこでいくつかのパブやお酒メーカーが、オンラインパブを開店。イギリス人が大好きな「パブ・クイズ」(定期的にパブの中で行われるクイズ大会。優勝したお客さんは賞金やビール券などをもらえる)をビデオチャットやインスタグラムで開催しており、家にいてもパブの活気ある雰囲気を味わうことができます。

例えばロンドン北西の「カムデン・タウン・ブリュワリー」では、クイズの賞品として自宅へのビールの配達も行ったり、打撃を受けているサービス産業への寄付をオンラインから募るなどしています。

バラ・マーケット主催のオンライン料理教室

ロンドンで一番賑わう食品市場「バラ・マーケット」は、今もテイクアウトのみで、近隣住民のために営業を続けています。現在インスタグラムで、平日は毎日シェフが料理教室を開催、配達可能地域を拡大して食材のデリバリーも行っています。

バラ・マーケット Instagram
https://www.instagram.com/boroughmarket/

他にもロンドン交響楽団が週2回、演奏をYou tubeで無料配信(https://lso.co.uk/)するなど、家でここまで贅沢なエンタメを味わえるのかと驚きます。また意外なのは「折り紙」のオンラインコースも人気だということ(「折り紙」は英語でもそのまま“Origami”と言います)。ロックダウンはまだまだしばらく続きそうですから、これからも心を落ち着ける新たなエンタメやサービスが登場してきそうです。

英語47-4

子供たちが虹の絵を描いて窓に貼り、医療従事者や地域の人を励ますアクションが、イギリスでも広がっています。

MOMOKO YASUI
ロンドン在住編集・ライター。1983年生まれ。男性ライフスタイル誌、美術誌、映画誌で計13年の編集職を経て2018年渡英。英語のプレスリリースを読むのに膨大な時間がかかって現在、仕事が非効率。

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連載
英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

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