ユニクロUで見つけた値段不相応なロングコート【ファッションアドバイザーMB】

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透湿防水性能を備えたハイテク素材のコートに注目

9月20日に発売されたユニクロU。「安かろう悪かろう」な昔のイメージを持って「ユニクロなんて着れないよ」と思う方も多いとは思いますが...是非このユニクロUシリーズだけは騙されたと思って手を出してみて欲しいもの。

何しろデザインのディレクションを務めるのはハイブランドの王様であるエルメスを手がけたクリストフ・ルメール。現在も自身のブランド「LEMAIRE」のデザインを行なっていますが、こちらはパンツで6,7万円~、コートで17,8万円~とハイエンドな価格帯。それがユニクロの生産背景を使うと一気に値下がりし、ニットで3000円~コートでも1万円台と破格中の破格となる。

「ユニクロだからどうせ素材が……」と思う人もいるかもしれませんが、是非まずこのコートを見て頂きたい。今回のユニクロUシリーズの中でイチオシアイテム、ハイテク素材を使ったこちらは高級アウトドアブランドのコートだと言われても騙せるくらいのクオリティです。

こちらは透湿防水性能を備えた素材、聞きなれないかもしれませんが要するに「表面では水分を弾いて、内部では水分(湿気を逃がす」というハイテク機能のこと。矛盾するようなこのテクノロジーは実はアウトドア用として開発された歴史があります。

登山では天気が変わりやすい山の中で、雨に濡れぬように防水コートを着るわけですが...防水性能を高めれば密封性が高くなり今度は内部で汗をかいてしまう。すると気化熱で体温を奪われてしまい、登山の世界ではともすると命を落としてしまう危険すらある。昔はそれをポンチョなど裾が広がったデザインでごまかしていたわけですが、近年になり開発されたのがこのハイテク「透湿防水」素材。外部と内部で全く違った機能を働かせるこのテクノロジーでアウトドアの世界は一気に快適になりました。そしてこれが現代の都市生活に応用されています。

実はこの透湿防水機能、考えてみれば都市生活にこそ必要なもの。都会の冬は屋外が寒く、電車の中では蒸し暑い。もちろんコートを脱ぐスペースなどなく、電車に揺られ汗だくになり、そのまま再び屋外に出て気化熱と気温差で体温が奪われ抵抗力が下がり風邪をひいてしまうわけ。これを透湿防水機能は解決ができる。電車の中で汗をかいても湿気を素早く逃してくれるため水分が体に付着する量が減る。ズルズルとしたあの不快な感触がなくなり、気化熱で体温を奪われることもない。これ一度体験すると本当にクセになります。

そんな透湿防水機能ですが無論デメリットもあります、それはコスト。ハイテク機能だけにどうしても素材の単価が高くなかなか安くならない。大量に作ってコストを抑えているはずのアウトドアブランドでさえそれなりの値段にしかなっておらず、安く手に入れることはなかなか難しい。それをユニクロUはロングコートとして大量の生地を使い1万円台におさえているのだから驚き。

それだけでなく透湿防水...というかハイテク素材の宿命である「スポーツテイストの風合いになる」デメリットもこちらは解決済み。ハイテク素材ながらこちら素材に天然素材であるウールを混ぜており表面の風合いは高級ウールコートのように見える仕様。機能性だけじゃなく見た目の風合いまで気を配りこの値段。普通のブランドだったら4,5万円出しても買えません。

世界観やブランディングを徹底的に作り込んでいる高級品に魅力があるのと同様に、合理性をとことんまで突き詰めているユニクロにも勿論魅力があります。どちらを選ぶかは個性次第ではありますが、是非たまにはユニクロにも目を向けてみてはいかがでしょう。特にこのユニクロUシリーズはブランド品に負けない発見があるはずです。是非ご参考に。

MB
ファッションバイヤー/ファッションアドバイザー/ファッションブロガー/作家。誰もが理解できる「オシャレの教科書」KnowerMagを運営。ブログ「最も早くオシャレになる方法KnowerMag」を運営。発行する有料メルマガは個人配信者としては日本一の規模を誇る(配信メディアまぐまぐにて)。書籍『最速でおしゃれに見せる方法』、漫画『服を着るならこんなふうに』など多数。関連書籍累計100万部突破。


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