経営者・宇野康秀「仕事とオーダーメイドは似ているかもしれない」【私のオーダー履歴書】

世界にたったひとつ自分だけの品は、人生をより豊かに彩ってくれるもの。オーダーメイドのある生活を愉しんでいる著名人に、その魅力を語ってもらう。そう、オーダーメイドは己を映し出す鏡なのだ。


頭で設計したことが実現する楽しさを求めて

自分のオフィスはリゾート風に仕上げ、会社のイニシャルである"U"をあしらったUシャツやパーカなどを制作する宇野康秀氏は家具作りを通して、オーダーの仕方を覚えた。

「まず、空間をイメージして、そこに合うものを考えます。それを繰り返すことで、気に入ったものができあがるようになった時の喜びは格別ですよね」

宇野氏はオフィスも、自宅の家具もこうしてオーダーして、この世に存在しないものを作りだすことを楽しんでいる。

「やはり、他にはないものを作りたいという願望があるじゃないですか。それを満たしてくれるのがオーダーメイドの醍醐味といえるのではないでしょうか」

その具体例のひとつがフルオーダーのイザイアのコートだ。

イザイアのコートは昨年の夏にオーダーし、納品されたのは12月。「普通に買うと 素材は限られてしまうけれど、その選択肢が広がるのもオーダーの魅力。ビキューナは肌触りも着心地も別格です」と宇野氏。極上の仕立てと素材との出合いによって生まれた1着だ

「形はベーシックですが、ショップでビキューナを使って仕立てられますよ、とすすめられて。同じようなデザインはあっても、ビキューナ素材のコートは見たことがなかったのでオーダーメイドすることにしたのです」

そして、ライニングやボタンといったディテールを選び、仕上がったコートはビジネススタイルだけではなく、カジュアルとも相性がいいと言う。

「デニムとも相性のいい色だし、その時の気分でコーディネイトに取り入れることが多いです」

そして、もうひとつのオーダーアイテムとして教えてくれたのは、グッチのスニーカー。

「昨年の夏ごろだったかな。当時は会社が引っ越すタイミングで"U"マークのものを作るのに凝っていて、グッチでもオーダーでできると知り、YとUのイニシャルを選びました」

『ゲーテ』のグッチ特集を見てから、ますます気にな ってしまい、さらにショッ プに足を運ぶようになりました(笑)」。スニーカーは可愛すぎないように、イニシャル部分にはパイソンのレザーをチョイス。実はそれと同時に "U" マークのニットもオーダーしたとのこと。

宇野氏は自身がオーダーする理由について、こう語る。

「こだわりや理想とするイメージがあるからこそ、オーダーするわけで、自分で頼んだものには特別な愛着が湧きます。どこにもないものを作りだすという意味では、仕事とオーダーメイドは似ているかもしれませんね。僕も新しい事業やサービスを考えることが好きですし、頭の中で設計したものが現実になることはやっぱり楽しいですよ」


Yasuhide Uno
リクルートコスモス入社後、1年で独立し、インテリジェンス代表取締役に。大阪有線放送社代表取締役社長、U-NEXT代表取締役社長、USENグループ会長を経て、USEN-NEXT HOLDINGS代表取締役社長CEOに就任。


Text=いとうゆうじ Photograph=杉山節夫 Illustration=芦野公平