存命するアーティストのなかで、今、最もオークションで高値がつくアーティストのひとりであるゲルハルト・リヒター。日本では16年ぶり、東京では初となる美術館での個展が2022年6月7日(火)からスタートする。

Photo: Dietmar Elger, courtesy of the Gerhard Richter Archive Dresden
© Gerhard Richter 2022 (07062022)
偉大なる現代アーティストの軌跡を知る
ドイツ生まれのゲルハルト・リヒターは、油彩画、写真、デジタルプリント、ガラス、鏡など多岐にわたる素材を用い、具象表現と抽象表現を行き来しながら、人がものを見て認識するという原理に、一貫して取り組んできたアーティストだ。2012年のオークションで、存命作家の最高落札額(当時/2132万ポンド=約27億円)を更新するなど、世界のアートシーンで常に注目を集めてきた。そして90歳を迎えた今もなお、精力的に作品を制作・発表をしている。
東京国立近代美術館で2022年6月7日(火)から始まる「ゲルハルト・リヒター展」は、東京では初となる美術館での個展だ。本展では、リヒター本人が手放さず手元に置いてきた財団コレクションおよび本人所蔵作品より、初期の作品から最新作のドローイングを含む貴重な作品約110点が一堂に会す。

ゲルハルト・リヒター《モーターボート(第1ヴァージョン)(79a)》1965年 ゲルハルト・リヒター財団蔵
油彩、キャンバス 169.5×169.5cm © Gerhard Richter 2022(07062022)

ゲルハルト・リヒター《4900の色彩(901)》 2007年 ゲルハルト・リヒター財団蔵
エナメル、アルディボンド、196枚のパネル 680×680cm/パネル各48.5×48.5cm © Gerhard Richter 2022(07062022)
とりわけ注目なのが、日本初公開となる近年の大作《ビルケナウ》。幅2m、高さ2.6mの作品4点で構成される巨大な抽象画は、ホロコーストを主題としており、作家自身にとっても重要な位置を占める。
多様な作品を通じて、リヒターの60年におよぶ画業の軌跡をたどる本展は要注目だ。

ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ(937-1)》
ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ(937-2)》
ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ(937-3)》
ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ(937-4)》
2014年 ゲルハルト・リヒター財団蔵 油彩、キャンバス 各260×200cm © Gerhard Richter 2022(07062022)
ゲルハルト・リヒター展
会場:東京国立近代美術館
会期:2022年6月7日(火)~2022年10月2日(日)
開館時間:10:00〜17:00(金・土曜は〜20:00)*入館は閉館30分前まで
休館日:月曜(ただし月曜・祝日の7月18日、9月19日は開館)、7月19日(火)、9月20日(火)
アクセス:東京メトロ東西線「竹橋駅」1b 出口 徒歩3 分
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)