乾燥、肌荒れ、ベタつき…大人の男の肌対策入門【洗顔~保湿まとめ】

今からでも遅くはない。正しいケア法をルーティン化させ、清潔感を手に入れよう。そのために、各誌で連載をかかえる超人気男性美容研究家・藤村 岳さんが「大人のための男性美容の極意」を指南! 美意識を高めれば、人生はもっと豊かになる。洗顔から保湿までをまとめて伝授。


1、正しい大人の洗顔とは? 皮脂は敵か? それとも味方か?  

とかく男は洗顔が下手だ。力任せに手のひらでゴシゴシとこすればそれでいいと思っている。しかし、考えてもみて欲しい。いくら平たい顔だからといって、鼻筋や頬骨は出っ張っているし、目の下や小鼻の横は凹んでいる。凹凸を無視していくら“面”でこすっても汚れは落ちない。頬が赤い男性を見かけるが、あれは凸部だけをこすり過ぎの場合に多く見られる。しかも凹部分ほど汚れが溜まりやすいのに、手のひらでのこすり洗いでは決して落とせない。顔を洗うなら“点”で洗うこと。人差し指、中指、薬指の腹の3点を使って、円を描くようにクルクルと滑らせよう。

洗う順番だが、まずは

①予洗い
熱すぎず、冷たすぎない人肌程度のぬるま湯で何もつけずに洗おう。肌を緩めて、毛穴を開き、洗顔料をなじみやすくするための準備だ。

②洗顔 Tゾーン~Uゾーン
次は洗顔料をよく泡立てて、皮脂分泌の活発なTゾーン(おでこ~鼻筋)から指の腹で洗う。そうすれば凹部にも泡がしっかり届き、余分な古い皮脂や汚れと洗顔料がほどよくなじんで、ムダに力を入れることなく落とすことができる。Uゾーン(頬やフェイスライン)は、軽くなじませる程度でOK。全顔を一気にではなく、パーツに分けてメリハリをつけて洗うべし。

③すすぎ
最後に洗うのと同じくらい大切なのがすすぎ。洗浄成分が肌に残っていることが刺激となり、荒れてしまうのだ。3倍くらいの時間をかけて丁寧にすすごう。ところで、多くの男性が誤解をしているが、皮脂は敵ではない。むしろ味方だ。皮膚は細菌やウイルスを外界から入れず、体に水分を出さないというバリア機能を持っている免疫器官。そして防御の最前線を務めているのが、皮脂なのだ。古くなってホコリなどがつき、酸化してしまった皮脂は落とさなければならないが、そうではない皮脂はバリアの要。取り過ぎるのはよくない。思春期のホルモンバランスが急激に変わることによって分泌される皮脂量と、ミドルエイジを迎えた男の皮脂量は異なる。だからこそ洗顔料は年齢によって変えるべきで、若い時のように脱脂力の強いものや刺激の強いスクラブを毎日、使っているようなら、即、改めて欲しい。洗顔はエイジングケアの第一歩なのだから。

タイプ別 洗顔フォーム3選はこちら。


2、 たかが「水」と侮るなかれ! 潤いのベース・化粧水の塗り方


化粧水の役割は水分の補給。実は、グローバルな視点から見ると化粧水を保湿に用いるのはアジア的な発想で、欧米では洗顔後にすぐリッチな質感のクリームを塗ってしまうことが多い。これは気候の差によるところが大きく、高温多湿なアジアでは清涼感を求めて、まずはライトでシャバシャバとした質感の化粧水を塗布する。

欧米でローションやトニックというと、コットンに染み込ませて余分な角質を拭き取る「エクスフォリエイティング」として使われる。海外出張で買い求めたローションが実は拭き取り専用で、保湿のためのものでないことも多い。拭き取り化粧水はアルコールが多く、保湿とは真逆の性質のアイテム。潤す目的で使っていたのに、取り去っていたなんてこともある。ぜひ、面倒がらずに説明書をきちんと読んで欲しい。

さて、ここではアジア的な保湿としての化粧水の使い方について解説しよう。以前、洗顔のやり方で教授したのは、皮脂が溜まりやすいTゾーンから乾燥しやすいUゾーンへと洗う順番であった。

保湿はその逆で、洗顔後、何はなくとも頬などのUゾーンに塗布する。その後、Tゾーンにもなじませよう。

外気が乾燥する秋冬は、化粧水の塗布を数回繰り返してもいい。乾いていれば肌がゴクゴクと飲むように吸収してくれるだろう。慌てず、ていねいに。よくパンパンと音を立て、激しく叩く男性を見かけるが、あれはNG。なるべく刺激を与えず、手のひらに液体をとったら優しく塗る。流れ落ちないように手のひらの体温で肌の奥へと届けるように数秒間、ハンドプレスするといい。

体質や脱毛でヒゲがほとんどない人は別として男性の場合、コットンで塗るのはあまりおすすめしない。女性と決定的に違うのは、そうヒゲの有無。コットンを使うと、ヒゲが引っかかって不快なうえ、綿が顔に残りやすい。また、力加減がわかりにくくなり、つい力を入れてこすりたくなる。男性は優しく手で塗布する方が向いていると私は考えている。

化粧水に限らずスキンケアアイテムは、季節やその時の肌状態に合わせて選ぶべきもの。春夏はさっぱりと、秋冬はこっくりとしたものと使い分ける方がいい。また年齢や、肌トラブルの種類によって有効成分を吟味するのも大切だ。今どきアルコール(エタノール)が成分のトップに来るようなものは避けたほうがいい。刺激が強いのでヒゲ剃り後はしみるし、かえって乾燥を招くこともある。たかが「水」ではなく、スキンケアの重要な相棒として化粧水は自分に必要なものを適切に選びたい。

タイプ別 化粧水3選はこちら。


3、 乳液やクリームは顔の保湿の仕上げに必要不可欠だ!

 第二回「たかが「水」と侮るなかれ。潤いのベース・化粧水の塗り方」で、保湿の重要性を見てきたが、実はそれだけでは不十分。化粧水で水分を補給し、その後、乳液やクリームなど油分の入っているものでフタをする、というのが保湿の一般的なセオリーなのだ。  

よく、男性用のコスメでは、この2ステップを軽減するべく、オールインワンタイプを勧めている。しかし、やはり"帯に短したすきに長し"とはよく言ったもので、物足りないものが多い。ジムでサッとすませたい、出張で荷物を減らしたいといったときに緊急避難的に使用するのは構わないが、水分→油分とわけて補充するほうが大人の肌には断然いい。年齢を重ねれば、それだけメンテナンスに手間を惜しんではいけない。

乳液、ましてやクリームと聞くと尻込みをするミドルエイジの男性がほとんどだろう。彼らは一様に「ベタベタする」と言う。一方で、意外かもしれないが、若い世代はクリームを毛嫌いすることは少ない。というのも、肌の質感に対する感じ方の違いがそこにはあり、中年以降のいわゆるスキンケアになれていない男性は「ベタベタする」と表現する質感を、彼ら若い男性たちは多くの女性たちが感じるように「しっとりとして気持ちいい」と表現する。この違いは個性ともいえるが、ことスキンケアにおいては若い世代のほうが正しく、中年男性の肌は軒並み乾燥が見受けられる。

とかくベタつきを恐れるあまり、クリームを塗らないという男性が多いが、それは間違い。連載の第一回「正しい大人の洗顔とは? 皮脂は敵か? それとも味方か?」でも話したが、皮脂は敵ではない。肌のバリア機能を最外層で守っている"シールド"だ。どんなに気をつけて洗顔をしても、少なからず必要な潤いまで取り去ってしまう。その代わりに乳液やクリームを塗布し、乾燥から身体を守る油分は必要不可欠。これは顔だけではなく、身体にもいえる。

塗り方はシンプル。額、両頬、鼻、アゴ先の5点にクリームを置き、内側から外側へ、そして引き上げるように塗り広げる。化粧水と同じで乾燥しやすい頬やアゴなどのUゾーンから始め、鼻や額のTゾーンはその後にするとよいだろう。塗る量はあえて均一でなく、自分で調整するべし。乾燥しやすいところは重ねづけしてもいい。皮膚が乾燥すると、身体は守ろうとして皮脂を過剰に分泌して守ろうとする。洗顔後にベタベタすると油分を嫌って、塗らないのはかえって皮脂の過剰分泌を促し、毛穴が広がる原因にも繋がり得る。

季節や自分の肌質、その時の状態によって乳液やクリームを替えよう。肌を見極め、状況を分析し、最善の策を講じる――まるでビジネスと同じではないか。

タイプ別 乳液3選はこちらから