ニューヨークを徹底的に体現した「キールズ」 〜美意識過剰!vol.6

現代の男の外見に必要なもの、それは外見より清潔感。美を学び、美意識を磨くことで仕事の可能性は格段に広がるはずだ。男性美容家の藤村 岳さんが、コスメブランドの神髄を伝授。すべての美は成功につながる!  

性別や人種を問わず圧倒的な支持を受けるブランド

キールズは徹底的にニューヨークを体現している。同ブランドは、1851年ニューヨークに調剤薬局として端を発した。その後、メーカーとしてオリジナルの薬品やコスメも発売し、現在は世界的に展開。

調剤薬局の最初のオーナーがジョン・キール氏だが、1 9 21年弟子のアーヴィング・モース氏が買い取った。しかし、キールズという屋号は変えず、そのままにした。それは、キールズが調剤薬局として、ひとりひとりのお客に向き合い、築いてきた信頼があったためだ。それを守ったことが、今日のキールズのビジネスサクセスの礎となった。

このブランドには数々のヒット作があり、例えば1920年代初頭、創業者・モース一族の親戚のロシアのプリンスが監修したオイルの香水が登場。当時は愛を引き寄せる「ラブオイル」と呼ばれ、’60年代になると、それが愛と平和を求める社会情勢から再ブレイク。そして今、「キールズ オリジナル ムスク」となり、往時の処方を受け継ぐ代表的な香りとなっている。

また、最近では極寒の地・グリーンランドを目指す探検家をサポートした「キールズ クリーム UFC」も評価が高い。話題になり、単に売れているだけではない。その質の高さは、コスメがかのスミソニアン博物館に所蔵されていることからもわかる。なんでも南北戦争当時に兵士の傷を癒やしたアロエベラクリームをはじめ113点が、所蔵品にその名を連ねているとか。

さらに、チャリティにも積極的で「利益追求だけではなく住民や企業、そして地域社会をよりよくするために貢献する」という使命から、子供、HIV/エイズ研究、環境の3つを軸に継続的な支援を実行している。

さて、現在、キールズのメンズラインは3つ。年齢を重ねたエイジングケアのブラック、幅広い年齢層に対応するブルー、そしてオイリー肌のためのグリーンと見た目ですぐにわかる。ただし基本的にユニセックスなので、何を使っても問題ない。そんなフラットな構成が性別や人種などを問わずに支持されている理由。多様な価値観を受け入れる度量の大きさは、まさにニューヨークそのものといえる。

キールズのような芯の通ったブランドが今後、美容業界のみならず、社会に与えていく影響力にも注目したい。

右:アイコン的クリーム。キールズ クリーム UFC[123g]¥6,600 中:1963年発売の伝統の品。キールズ オリジナル ムスク[50ml]¥6,500 左:待望の新製品。キールズ AGD エイジケア クレンザー[150ml]¥3,200

問い合わせ
キールズ TEL:03-6911-8562

Text=藤村 岳 Photograph=杉田裕一[POLYVALENT]