【遠藤光男が物申す!】トレーニング界の伝説が現代スポーツ界を斬る!<プロローグ>

昭和40年代、黎明期のボディビル界に彗星の如く登場し、注目を集めた男がいた。その名は遠藤光男。1966年、24歳の時にボディ・ビル・ミスター日本となり、世界大会にも出場。ドーピング三昧の海外選手を向こうに回して優秀な成績を残し、翌年、自身のジムを東京・錦糸町に開設。日本に於ける筋力トレーニング指導の第一人者としての地位を確立していくなかで、作家・三島由紀夫や俳優・高倉健らとも親交を持ったほか、相撲界とも関わりが深く、千代の富士、白鵬を始め7人の横綱を指導。また国際プロレスのリングではレフェリーとして活躍し、数々のレスラーにもトレーニング法を伝授したことも知られている。


突然編集部に送られてきた一通の文面

遠藤光男氏が、当サイトでの連載企画にて、自身のキャリアを振り返りながら、トレーニングと日本のスポーツ界ついて語り尽くしたのは半年前。その後、編集部には「もっと遠藤氏の忌憚のない言葉を届けて欲しい」という声が、多数寄せられた。

昨年2018年の日本スポーツ界は、平昌オリンピックでの日本選手団の活躍や、大坂なおみ選手のグランドスラム制覇などの嬉しい話題の一方、レスリング、ボクシング、体操、ウェイトリフティング、相撲などなど、各界でパワハラや暴力といったさまざまな問題が噴出した1年でもあった。

2020年の東京オリンピックへ向け、スポーツ界は改革の時を迎えていると言っても過言ではない。そんなスポーツ界に、ご意見番として遠藤氏にズバッと直言していただくべく改めてコンタクトを取ると、まずは《相撲界に物申す》から始まる、こんな一通の文面が送られてきた。

相撲界に物申す。
先ず力士の体力と体重の違いを理解すべき。
体重が増えるだけで本人も周りも満足する傾向がある。
しかしこれは大きな危険性をはらんでいる。
体力とは単に押す、押されないだけではなく、自分の意志で自由に体を使う能力でもある。
力士の場合、土俵でいかに素早く攻防を繰り広げるかが重要である。
体重が増えすぎると動きが遅くなり、スタミナも無くなり、怪我をしやすくなる。
平均体重が100キロ前後だったころの大相撲を思い出してほしい。
まさに寝技のないレスリングとも言うべき素早い身のこなしによる技の掛け合いと試合の展開。
娯楽が少なかったとはいえ、大相撲に人気があったのはこのスピーディーな試合によるものである。
これが今のような体重が増えすぎた力士による取り組みでは、あの時代の人気は無かったと思います。
協会はもっと力士の選手寿命や健康にも気を使ってほしい。
改革、改革との声が聞こえるが先ずはこの問題からしっかりと取り組むべきである。
面白い取り組みが増えれば自ずと人気は出る。
それ以外の小さなことは部外者、視聴者、ファンには関係のないこと。
そして、相撲はスポーツでなく神事。
女性が土俵に上がれないのは、それでいいのです。
伝統の前では、新しい価値観を振りかざすよりも、謙虚に受け止めることも必要なのです。
健康で元気な力士による迫力ある技の掛け合いを取り戻し、外の無責任な声を気にせずに本来の相撲道を進んでください。

傾聴に値する言葉が並んでいるではないか!!

明日からは、昨今の日本スポーツ界に遠藤光男氏が大いに「物申す」インタビューを、集中連載でお届けしていこう。


Text=まつあみ靖 Photograph=吉田タカユキ


遠藤光男
遠藤光男
1942年東京都生まれ。日本ボディビルディング界の第一人者で、24歳だった'66年のボディビル・ミスター日本となる。翌年に東京・錦糸町で遠藤ジムを開き、その年にはモントリオールで開催された世界選手権で3位に。三島由紀夫や勝新太郎とも親交があり、大相撲界、プロレス界など幅広い人脈を誇る。
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