モダンに新化した自然派コスメ「ロクシタン」 〜美意識過剰!vol.7

現代の男の外見に必要なもの、それは外見より清潔感。美を学び、美意識を磨くことで仕事の可能性は格段に広がるはずだ。男性美容家の藤村 岳さんが、コスメブランドの神髄を伝授。すべての美は成功につながる!  

西アフリカで出合ったシアが、運命を変える

昨年、40周年を迎え、41年目に突入したロクシタン。創設者のオリビエ・ボーサン氏は、今もブランドを牽引する。もともと、ロクシタンは氏がアンティークの蒸留器を手に入れ、マルシェで精油を販売したのが創業のきっかけで、後に南仏・プロヴァンスの自然派コスメとして世界的に成功する。

大ブレイクにいたる運命はシアバターにある。ある時、空港に足止めになったオリビエ氏は、とある女性ジャーナリストから不思議な木の実・シアの話を聞く。神聖なるその実は女性しか収穫することが許されないと知ると、ますます興味を抱き、その実が生息する西アフリカへ向かった。

そして、過酷な環境下にいる現地の人たちの肌の健康的な美しさに感銘を受けた。そこではシアバターを赤ん坊の全身にも塗り、紫外線などの外的刺激から肌を守っていたのだ。

そのシアとの衝撃的な出合いが1980年。そこから研究を始め、’82年にはシア入りソープを発売。さらに世界的な大ヒットで同ブランドのアイコン的アイテムとなるピュアシアバターを’89年に完成させた。その存在を知ってから研究、開発と10年以内で成し遂げたオリビエ氏の実行力には驚嘆せざるを得ない。

そんなロクシタンは男性用アイテムも豊富だ。残念ながら廃番になったフランスの清冽な水が流れる渓谷・ヴェルドンに着想したシリーズがあったが、今は馥郁たる香りが特徴のセドラに注目したい。柑橘の爽やかさとシダーウッドの奥深さの魅力を併せ持つコルシカ産の果実・セドラを使った、フレグランスやスキンケア、ボディケア製品が充実している。

また、筆者も愛用しているシェービングを中心に据えたケードは、オンラインでの展開だが、郷愁を感じる佇まいがなんとも美しい。

そして、男女ともに人気なのがシャンプーなどのヘアケア製品。年々進化し、シェアコスメとして若い世代に浸透している。

ともするとローカルになりがちな自然派コスメ。それをモダンにアップデートし、さらにフェアトレードなど原料の供給者たちとの関係までをも考慮するなど社会的な貢献もしている。今でこそ当たり前だが、40年以上前からそれを実行してきたのだ。

また、コスメにジェンダーレスなイメージを持たせたのもロクシタンの大きな功績だろう。オリビエ氏の嗅覚の鋭さは経営者として学ぶべき点が多い。シアの小さな缶には美とビジネスのヒントが詰まっている。

左:アイコン的製品。シアバター[10g] ¥1,200 中:9 月6 日発売の新製品。セドラ アイジェル[15ml]¥4,000 左:女性へのプレゼントにも。シア ハンドクリーム[30ml]¥1,400

Text=藤村 岳 Photograph=杉田裕一[POLYVALENT]